トイレのタイル

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1年経ったある日、あたしは中2になってた。学校から帰るとあのタイル屋さんがいた。 「どうしたんですか。」 「お母さんから連絡があって、お風呂のタイルも直してほしいって。」 「そうなんや。」 「彼氏とはうまくいってるの?」 「はい。相変わらずですけど。」 「よかったね。」 「彼女とかいるんでしょ。」 今日はよく顔をみたらかっこいいと思ってしまった。 でもあたしみたいな子供は不釣り合いだと思ってた。 「彼女なんかいないよ。」 「ふ~ん。。。」 お風呂のタイルは5日ぐらいできれいになり、5日間、沢山話をした。 そしてまた別れることに。 すると、うちの母が 「彼女いないんなら、あたしと付き合わない?」 と正々堂々と言った。 うちの母親はあたしと兄を若くして生んだからまだまだ若い。 タイル屋さんは 「いえ、せっかくですけど。」 「じゃあ友達はだめ?」 あきらめないうちの母親。 中学生みたい。 「友達とかって、言われてもよくわからないです。」 「じゃあたまに、御飯たべにおいでよ。」 「はい。じゃあまた来ます。」 またあたしに言う。 「何か困ったことがあったらここに電話して俺の名前を言って呼び出して」と名刺を渡された。 そして あっけにとられてる間に帰っていった。 自分の部屋に戻り、名刺を眺めてた。 あたしには彼氏がいる。 だから自分から電話なんかできない。 でもいつかかけることがあるかもしれない。 あたしは名刺を生徒手帳に入れた。 母親の誘いもありタイル屋さんは、うちに月に数回、御飯を食べにきていた。 そのときも話はたくさんした。 なんやかんや、知り合いとして長い付き合いに気づけばなっていた。 あたしその時、高3の17歳。 タイル屋さんは24歳だった。 受験勉強をしていたら、夕飯を食べにきていたタイル屋さんが 「勉強、焦ってないか。」 あたしは就職か、短大進学か悩んでいた。 「実は悩みがあって。短大にいきたいけど、お金がかかるし。やっぱり働くしかないのかな。」 「それはお母さんと決めたほうがいいんとちがうか?」 「そうやんな。」 「高校卒業したら、つきあおか?」 もう彼氏とは終わっていた。。。
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