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石が、悲しんでいると、魚が石に卵を生み付けました。
小さな卵が、石にくっつきました。
魚は、言いました。
「私の子供たちが、かえるまで守ってあげてください。」
石は、訳がわからないけど、そのことばをまもりました。
時が経ち、卵は次から次へと、かえって小さな魚が、誕生しました。
石は、そうかこのことを頼んだのかと、やっと、納得しました。
大きな船になることより、ずっとよかったのかもしれないと思いました。
小さな魚たちは、旅立っていきました。
それから、その石は、魚の隠れ場になったりしました。
石は、その場所でなくてはならない存在と、なりました。
もう、船に憧れを抱かなくなりました。
石は、
「僕は、僕で本当によかった。」
と、海の上を見てつぶやきました。
おしまい
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