☆ 2 ☆

2/13
773人が本棚に入れています
本棚に追加
/126ページ
いつも定時であがる真來 俺もそれに合わせて上がった 「今日、早いな。デートか?」 興味なさげな矢部が聞いてくる 「まあな。お先~」 適当に答え、事務所を出た 駅に向かって少し前を歩く真來を追いかけた 「真來」 驚いた顔が俺を見つめる そして、みるみるうちに赤くなっていく頬 「キス、思い出した?」 からかう プイっと顔を背け、歩き出す 「待てよ」 隣を歩きながら、拗ねた横顔が可愛くて笑いが漏れた 「なあ、飯行こ」 小走りだった足取りがどんどん早くなっていく 「なあ、真來。何食いたい?」 「………」 真來はシカトを決め込んで全力疾走し始める 仕方なく、真來の腕を掴んだ 「もうっ、離してっ」 腕を振り払おうと暴れる真來 「おまえが逃げるからだろ?」 ゼーゼー肩で息をしながら、真來は吐き捨てるように言った 「しつこい。シカトしてるんだから分かるでしょ?一回キスしたくらいで調子にのるな!!」 真來って口悪っ こんなキャラは予想外だ 呆気に取られてるうちに真來は去っていく 何だ? メガネ、ネクラ、地味なくせに!! 俺の誘いを断りやがった ムカつく!!
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!