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いつも定時であがる真來
俺もそれに合わせて上がった
「今日、早いな。デートか?」
興味なさげな矢部が聞いてくる
「まあな。お先~」
適当に答え、事務所を出た
駅に向かって少し前を歩く真來を追いかけた
「真來」
驚いた顔が俺を見つめる
そして、みるみるうちに赤くなっていく頬
「キス、思い出した?」
からかう
プイっと顔を背け、歩き出す
「待てよ」
隣を歩きながら、拗ねた横顔が可愛くて笑いが漏れた
「なあ、飯行こ」
小走りだった足取りがどんどん早くなっていく
「なあ、真來。何食いたい?」
「………」
真來はシカトを決め込んで全力疾走し始める
仕方なく、真來の腕を掴んだ
「もうっ、離してっ」
腕を振り払おうと暴れる真來
「おまえが逃げるからだろ?」
ゼーゼー肩で息をしながら、真來は吐き捨てるように言った
「しつこい。シカトしてるんだから分かるでしょ?一回キスしたくらいで調子にのるな!!」
真來って口悪っ
こんなキャラは予想外だ
呆気に取られてるうちに真來は去っていく
何だ?
メガネ、ネクラ、地味なくせに!!
俺の誘いを断りやがった
ムカつく!!
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