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「悪い、真來。隣の隣の住人」
矢部を指差す
「おはよ、村田さん」
「お……はょ」
無駄にニコニコ笑う矢部と完全に俯いてしまった真來
「矢部、座れ。真來を怖がらせるなら追い出すぞ」
「はいはい」
真來の頭をまた撫でて、キッチンに入る
矢部のサンドイッチを作りながら、二人を伺う
「昨日、デートどこ行ったの?」
「………水族館」
「へー、楽しかった?」
それ、俺も聞きたい
「………うん」
ヨッシャ!!
思わず、ガッツポーズ
「そっか。じゃあ、二人は彼氏彼女?」
「矢部!!余計なこと聞くな!!」
慌ててキッチンから叫ぶ
「何で?昨日、泊まったんだろ?」
真來を見れば、真っ赤になってこれでもかというくらい俯いてしまった
今にもダイニングテーブルに額がつきそう
サンドイッチを運び、真來の隣に座る
「俺たちのペースがあるの!矢部が急かすなよ。真來、気にするなよ」
もうサンドイッチにかぶり付いてる矢部は『はいはい』と適当な返事をする
真來はやっと顔を上げて俺を上目遣いで伺う
安心させるようにまた頭を撫でた
少し肩の力を抜いて、小さく微笑みサンドイッチを食べた
矢部がそんな真來と俺をニヤニヤ見る
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