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(タニと帰宅路が正反対なのが、嫌だな)
でも、別にそれでも構わなかった。俺にはちゃんと帰る人が別に居るから…。
(あっ、いたいた)
彼女は少し、寂しげな顔をして壁に寄りかかっている。たまに地面を軽く蹴る姿はまるで彼氏を待つ彼女…みたいな…。
そんな事を考えてる間に、彼女は俺を見つけて手を振る。
「あっ、ジュウじゃん」
「よっす!」
俺も手を振り返す。
この子の名前は朱華丸(しゅかまる)・メルアート。中学からの友達で礼儀正しく、女の子っぽく、そしてゲームを知っている。俺の数少ない女友達だ。髪はピンクでツインテール。顔はロリロリ…。
因みに俺は朱華と呼んでる。
「一緒に、帰るか?」
「うん!」
これが俺達のやり取り。
でも…。
(クラス一緒なんだから無理にこんな所で会わなくても…)
彼女曰わく、別に恋人同士では無いのに一緒に帰るのは恥ずかしいらしい。昼休みとか一緒に居るから別に一緒だと思うが…。
「今日暇?」
とか思ってる間にあちらから声をかけてきた。
「いや、今日はちょっと…」
と俺は空を見ながら言う。
「ふ~ん…。女の子?」
朱華はニヤニヤしながら言う。
「ブーッ!!あ、あのなぁ」
俺の顔が真っ赤って事が、自分でも分かるくらい顔が熱くなる。
朱華はクスクスと笑いながら「そんな訳ないか」と俺を見る。
「あのなぁ…」
と、こんな感じな話をしながら帰宅路を歩いた。
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