第一章 少年の日常

4/18
前へ
/23ページ
次へ
(タニと帰宅路が正反対なのが、嫌だな) でも、別にそれでも構わなかった。俺にはちゃんと帰る人が別に居るから…。 (あっ、いたいた) 彼女は少し、寂しげな顔をして壁に寄りかかっている。たまに地面を軽く蹴る姿はまるで彼氏を待つ彼女…みたいな…。 そんな事を考えてる間に、彼女は俺を見つけて手を振る。 「あっ、ジュウじゃん」 「よっす!」 俺も手を振り返す。 この子の名前は朱華丸(しゅかまる)・メルアート。中学からの友達で礼儀正しく、女の子っぽく、そしてゲームを知っている。俺の数少ない女友達だ。髪はピンクでツインテール。顔はロリロリ…。 因みに俺は朱華と呼んでる。 「一緒に、帰るか?」 「うん!」 これが俺達のやり取り。 でも…。 (クラス一緒なんだから無理にこんな所で会わなくても…) 彼女曰わく、別に恋人同士では無いのに一緒に帰るのは恥ずかしいらしい。昼休みとか一緒に居るから別に一緒だと思うが…。 「今日暇?」 とか思ってる間にあちらから声をかけてきた。 「いや、今日はちょっと…」 と俺は空を見ながら言う。 「ふ~ん…。女の子?」 朱華はニヤニヤしながら言う。 「ブーッ!!あ、あのなぁ」 俺の顔が真っ赤って事が、自分でも分かるくらい顔が熱くなる。 朱華はクスクスと笑いながら「そんな訳ないか」と俺を見る。 「あのなぁ…」 と、こんな感じな話をしながら帰宅路を歩いた。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加