始まりは、魔法使いの願い

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ひらり、はらりと音もなく桜が舞い散る。 現在は深夜ということもあり、皆が寝静まった頃。 初音島を代表する枯れない桜の前に、金髪の少女が一人蹲っていた。 その表情は今にも泣き出してしまいそうな程に重く沈んでおり、枯れない桜に背中を預けて体育座りで顔を埋めている。 「義之君…」 ぽつりと呟いた名は、魔法使いの大切な息子の名前。
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