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何はともあれ、俺にとっては東証の値幅変動くらいどうでもいいことだ。
謎の転校生というシチュエーション及びフラグを希望するならば、どこぞの小説に移籍してこい。
って言うったら横臥あたりはツンデレヒロイン目当てに本気で移籍して迷惑かけそうなので止めておく。
何の話か? 気にするな。
学校に通い始めてから昔と比べて空想回数が明らかに増えた。
そろそろオウガイズムに汚染されてきたか?
ヤバいヤバい。
そんな悲観的な自分に嘆息していると、即身仏ことミイラ宮田が教室に入ってくる。
その後ろからトテトテと足早についてくる見慣れない女子生徒。
「はいおはよう……ぐぅぐぅ」
入ってきて早々に特技を披露するミイラ宮田。
「おじいちゃん駄目よ! ちゃんと起きてホームルームしなきゃ」
女子の一人がミイラ宮田をからかいながら起こす。
女子生徒はあくまでミイラ宮田の血縁者ではないのであしからず。
「はいおはよう。今日は転校生が来ましたので紹介します。それでは教科書の二十ページを開いてください」
教科書に転校生の詳細は載ってません。
本気で二十ページを開いて血眼になって見ている横臥。
お前らとりあえず十回死んどけ。
「ごほん。イギリスから来ました。ラクセリア=イライザ=ルシウス。ラクスでもセリアでも呼び名はお好きにどうぞ」
腰まで伸びた緋色の髪に蒼空の瞳。
白色の肌に整った目鼻立ちは西洋美人と言うのだろうか。
それにしては日本人と変わらない顔立ちをしていた。
可愛いと綺麗の中間と言うべきだろうか。
しかしあまり愛想は良くない。どこかつまらなそうにしているのは、見知らぬ土地に来て期待外れの担任を見たからだろうか。
「マミー、私の席は?」
「あ、えー、嵯峨、君の後ろ空いてるかね?」
聞くな! 自分の受けもってるクラスの状況も把握してないのか?
まあ転校生にマミー《ミイラ》と呼ばれ馬鹿にされてるくらいだ。
しょうもない。
「空いてます」
「そうか。嵯峨の座高が高くて見えなんだ。少しばかり身長縮めてくれると先生助かるなぁ……ぐぅぐぅ」
縮められるかぁ!
もう……そのまま永眠してください。
ラクセリアが先程までとは違って、踏み締めるように、どこか威圧感たっぷりに歩いて来て俺の後ろに座った。
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