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ぼしゅっ!
顔の温度が臨界点を突破したのか、先程よりも真っ赤な美琴は顔を背ける。
姉といい妹といい、異性にベタベタと肌を触らせ過ぎではないだろうか?
なにわともあれ俺は起き上がり、
「ありがとうございます。寝込みを守って頂いて」
俺が眠っている間片時も離れず、ずっと刀を握りしめていたのだろう。
美琴の顔に少し疲労の色が伺えた。
「べ、別にお前の為ではない。これも鍛練の為だ」
恥ずかしそうに美琴は観客席を飛び出して行った。
美琴の後ろ姿が見えなくなるまで暫くその場を眺め、
「……何でもいいが、戸締まりどうするんだ?」
誰もいない観客席で一人ツッコミをして帰った。
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