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「で、どうなったんだ?」
「せっかちね。知ってる? せっかちな男ってモテないわよ」
せかしてねえ!
今の話しの流れだと今の言葉はどう考えても普通だろ!
そもそも勿体ぶるような話しか?
「いいよ。勿体ぶられてまで聞くような話しではないだろうし」
「黙って人の話し聞きなさいよ。本当どういう育ち方してるのかしら」
そっくりそのままノシつけて返してやる。
話したいのか話したくないのかハッキリしてくれ!
てかむしろここから今すぐ立ち去りたい!
マジでキレたい五秒前!
「殺し屋は魔導師マフィア達が放つ魔法をものともせずに倒していったわ。鉄砲の弾でさえかすりもしないの」
へぇ。それは凄い。なんてこれっぽっちも思っていないが、驚いてるフリだけはして見た。
「きっとあんた見たいな凡人には一生無理な話しね。そこで気付いたの。彼は伝説の魔導師なんだって」
おめでとう。どこの誰ともわからない殺し屋さん。
あんたの知らないところで殺し屋から伝説の魔導師として生い立ちが変わってるぞ。
殺し屋冥利につきるとはこのことだろうか。
「そこで私は思いついたの。きっと世界にはもっと凄い人がいるかも知れないって。手始めに世界に誇る日本の魔導師育成機関である風見ヶ丘学園に転校してきたわけ」
海を越えて遠路はるばるご苦労様。
見つかるといいな。お前の中で美化された殺し屋に匹敵するくらい伝説的な奴が。
話しを聞いていて俺はなんだか凄い勢いで疲労感を感じた。
大魔法を連発した後にも似た疲労感。
「ま、頑張って探してくださいな」
俺は一刻も早くその場を離れようと足早になる。
あの生徒会長もとんでもない奴を勧誘しろと言うってくれるぜ。
ラクセリアの話しを知ったらあの生徒会長はきっと面白がってますます乗り気になるだろう。
まあ俺は生徒会に入るつもりは無いから、生徒会がいくらカオスになろうと知ったことではない。
……しかしだ。学園運営の六割強は生徒会が携わっている。
つまりだ。
生徒会がカオス=学園もカオス。
何と言う酷い公式だ!
俺の平凡な高校生活は更に更に遠ざかる。
大体朝からくだらない喧嘩に遭遇するわイカレタ思い出話しを聞かされるわで散々だ。
気が付けば既に校門に到着。
「嵯峨ではないか。その制服……いや何でもない」
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