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言葉の通り、俺の股の間からひょっこり顔を出す生徒会長こと芽衣。
ブロンドのツインテール娘は上目遣いで俺を見て、
「美琴の太股は気持ち良かったか?」
わざと俺の太股に顔を擦り付ける。
「と、とりあえず話しは別の場所で!」
芽衣の首根っこを掴み、もうスピードで教室を飛び出した。
生徒達の奇異な視線は気にしてられない。
珍獣片手に“とったどー”というギャグをやっているわけじゃないが、不思議とそんな気分になる。
断じて嬉しくはない。
屋上に着いてから、俺はとりあえず周りに誰もいないことを確認して、添え付けのベンチに芽衣を降ろした。
「決して依頼を放置してるわけじゃないんですが」
「知っている」
「なら何で……」
俺の話の途中で生徒会長は右手の人差し指を上に立て左右に振り、
「生徒会役員選出期限まであと二週間を切った」
「はぁ」
生徒会長の言う選出期限、それは今動いている風紀委員を含め、仮役員達ではなくれっきとした新生徒会の役員を決めなければ、自動的に生徒会はゼロから作りなおされる。
その際、現在の生徒会長は他薦自薦を含めての立候補は出来ない原則が適用される。
つまり、
「生徒会長が生徒会長ではなくなるというわけですね」
頷く芽衣。しかしそれは俺にとっても都合のいい話しになるはずだった……
「私が急遽日本に帰国し、この学園でリコール劇場を繰り広げ、生徒会長にならなければいけなかった理由」
ハーレムでしょ?
腐女子的妄想の産物が目的。
残念ですがそれしか思いあたりません!
「ハーレムは確かに作りたい。イケメン美少女は大好きだし」
「やっぱり」
嘆息する俺の横で、宙に浮いた両足をパタパタさせながら、
「なんてな、実はな最近のことだが魔導師育成機関を狙った犯罪が増えて来ているのだ」
急に真顔になった芽衣。
なんだかなぁ、急にシリアスなバージョンになられても今一パッとしない。
「確かに最近噂で聞きますね」
「うむ、学徒刈りというのが最も多い。そこでだ、とりあえずそのテロ紛いのものを摘発できるだけの組織体制を作り上げなければならない」
スケールが段々と大きくなるのは素晴らしいことで。
できれば俺の知らないところでやって欲しいね。
手っ取り早く地球の裏側というか日本の裏側で。
ブラジルの方ゴメンなさい。
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