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おまけに学費はハンパなく高い為に世間では《お嬢様学校》とまで呼ばれている。
そんな学園でも魔導学科と機動工学学科以外は学費は他校と遜色変わりないのだが、倍率が高い為に生徒達の偏差値は常に全国トップ。
まあ横臥が入学出来たのは七不思議に相当するほどなものと俺は考えているが。
コイツは俺と同じ一般教養科だ。
間違っても魔導学科になんて入れるはずもない。
俺は魔法に興味は無かった……というより、魔法を習う必要性がないので一般教養科に入学したわけだ。
そう、“低レベル”から習うことなど何一つ無い。
そうこう上の空(横臥の話を無視)で歩いているうちに学園に到着。
校門では風紀委員の女子生徒達が立っている。
「相変わらず改造制服か」
風紀委員の女子生徒が通り過ぎようとする俺に声をかける。
「問題起こさなければ文句は無いですよね?」
マリンブルーの色に肩までのショートヘアー。綺麗な輪郭のパッチリとしたエメラルドの瞳。
ミニスカートと片足だけ黒のニーソックスと太股につけられたホルダーにハンドガン。
右手には刀と物騒な格好をしている。
俺の横では軽く口笛を吹く横臥。
コイツが口笛を吹くときは大抵美人を目にした時だ。
とびっきりの。
「ああ。お前はそのチャラチャラした制服以外はドが付くほどの平凡な生徒だからな」
余計な一言だ。
風紀委員で霧島芽衣の義妹である霧島美琴。
風紀委員と言うっても、現在生徒会役員選出期間の為、仮の委員である。
まあ姉から頼まれて引き受けたのだろうが、随分と様になっている。
刀と銃で武装しているという点は行き過ぎな気もするが、法で認められているので問題はないらしい。
風見ヶ丘学園では、日々魔導師、並びに魔法を使う訓練の為に小隊編成を行い、日々演習を行っている。
まあ傍目から見れば予備軍隊に思われるのだが、実際その通りである。
魔法の使い道の七割が軍事用途なのだから。
残りは生活基盤を支える為のものだが、それでさえ戦闘に多様できるものばかり。
その代わり、ちゃんと魔法に対する法整備も行われているので、犯罪多様率は以外と少ないのだ。
「おつとめ頑張ってください」
俺は作り笑顔で愛想よく挨拶してその場を立ち去る。
もしこの時の笑顔を鏡でみたら自分でも気持ち悪いと思うことだろう。
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