山の巫女、彼女の場合。

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「私も、神奈子さまや諏訪子さまに頼りっぱなしじゃいけないよね……」 神社の昼下がり、そこには一人の巫女が掃除の休憩を取っているところだった。 山の現人神、東風谷 早苗は縁側で、葛藤の最中を巡っていた。 腰まで座り込んだ早苗は、両足を交互にあそばせて呟く。 「でも、どうしようか……わぷっ!?」 突如、早苗の顔に、突風で煽られたチラシが張り付く。 早苗は、少し不機嫌な様子でチラシを剥ぎ取る。 「アルバイト募集……ふむふむ。自給……8万9千円っ!!?」 そこで早苗は目を丸くする。なんてったってそこに提示された金額は、あまりに不合理。 どう考えても、これは怪しすぎるのは一目瞭然のはず。 しかし、そこは世間知らずの悪いところ。善は急げと掃除を放り出して参加を決意したのであった。
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