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斎「……死体の処理は如何様に?肉体的な異常は、特に現れていないようですが」
声をかけられた土方という人は、短い思案を挟んだ後に口を開いた。
土「羽織だけぬがせとけ。…… 後は、山崎君が何とかしてくれんだろう」
斎「御意」
?「隊士が斬り殺されてるなんて、僕たちにとっても一大事ですしね」
その人は、くすくすと笑いながら同意する。
土「ま、後は俺らが黙ってりゃ、世間も勝手に納得してくれるだろうよ」
杉「羅刹は幕府からの密命て造っているからな」
土「なんで知っているんだ?」
杉「別に…」
沖「へぇ―、そこらへんも詳しく聞かないとね。あっ… 僕は沖田総司と言います。よろしく」
杉「俺は杉川優月。よろしくはしたくない」
土「わざわざ自己紹介してんじゃねえよ」
斎「副長……お気持ちは分かりますがまず移動を」
沖田は俺の手首をつかむと、そのまま笑顔で歩き始める。
杉「痛いんだけど」
沖「…………」
杉「無視かよ」
斎「己のために最悪を想定しておけ。……さして良いようには転ばない」
満月の夜…
この時はまだ、これから待ち受ける運命など、俺には知るよしもなかった。
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