四章

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冲「……一番組、揃った?」 隊! 冲「じゃあ行くよ」 俺は沖田さんの横を歩いた。 すると沖田さんがこっちを向いた。 冲「緊張してる?」 杉「別に……」 冲「ならいいけど……」 杉「わぉ……!」 沢山の人が道を行き来している。 ただそれだけの光景が無性に心を弾ませる。 冲「優月ちゃん、はしゃぎ過ぎ。巡察だってことを忘れないでね」 苦笑混じりに注意されて、俺は思わず小さくなった。 巡察も終わりに近付くと、向こうから声が…… 藤「総司―!そっちはどうだった?」 藤堂さんだった。 冲「別に何も。普段通りだね」 藤堂さんも別の巡察だったらしい。 ーーと、その時…… 浪「おい小娘!断るとはどういう了見だ!?」 ?「やめてください、離してっ!」 浪「民草のために日々攘夷を論ずる我ら志士に、酌の一つや二つ、 むしろ自分からするのが当然であろうが!」 何があったのかはわかんねーけど、女の子一人に荒くれ者が三人四人…… どう見ても楽しそうな雰囲気じゃねえ! 杉「助けねえと……!」 思わず呟いた俺に、藤堂さんの声が応える。 藤「わかってるって! 杉川、おまえはここで待ーー」 ーー俺たちが、言葉を交わしている間に………
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