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杉「咲さ―ん!ご飯おかわり」
咲「はい、…………どうぞ」
杉「ありがとう」
咲「あれっ、あなた……女性の方ですよね?」
杉「…っつ!…嫌だな~、俺は男ですよ」
俺は平静を装った。
冲「もういいんじゃない、隠さなくても」
斎「どういうことだ?」
杉「はぁ、……俺は女ですよ」
永・藤「「はあぁぁぁぁぁ!?」」
永「ウソだろ!!」
原「まぁ、薄々わかっていたけどな」
藤「でも何で男装をしているんだ?」
杉「それは………」
スッ
突然、広間に井上さんが入って来た。
井「ちょっといいかい、皆」
その声はいつものように穏やかだったけれど、井上さんの目は真剣そのものだった。
穏やかだった空気が、一瞬で硬いものへと変わる。
井「大阪に居る土方さんから手紙が届いたんだが、山南さんが隊務中に重症を負ったらしい」
杉「え!?」
皆、一斉に息を呑んだ。
どうやら大阪のとある呉服屋さんに、浪士たちが無理矢理押し入ったらしい。
駆けつけた山南さんたちは、何とか浪士たちを退けたんだけど、そのときに怪我をしてしまったと言う話だ。
杉「それで、山南さんは……!?」
井「相当の深手だと手紙に書いてあるけど、傷は左腕とのことだ。剣を握るのは難しいが、命に別状はないらしい」
杉(左腕が使えないってことは、真剣が使えないな)
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