五章

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杉「咲さ―ん!ご飯おかわり」 咲「はい、…………どうぞ」 杉「ありがとう」 咲「あれっ、あなた……女性の方ですよね?」 杉「…っつ!…嫌だな~、俺は男ですよ」 俺は平静を装った。 冲「もういいんじゃない、隠さなくても」 斎「どういうことだ?」 杉「はぁ、……俺は女ですよ」 永・藤「「はあぁぁぁぁぁ!?」」 永「ウソだろ!!」 原「まぁ、薄々わかっていたけどな」 藤「でも何で男装をしているんだ?」 杉「それは………」 スッ 突然、広間に井上さんが入って来た。 井「ちょっといいかい、皆」 その声はいつものように穏やかだったけれど、井上さんの目は真剣そのものだった。 穏やかだった空気が、一瞬で硬いものへと変わる。 井「大阪に居る土方さんから手紙が届いたんだが、山南さんが隊務中に重症を負ったらしい」 杉「え!?」 皆、一斉に息を呑んだ。 どうやら大阪のとある呉服屋さんに、浪士たちが無理矢理押し入ったらしい。 駆けつけた山南さんたちは、何とか浪士たちを退けたんだけど、そのときに怪我をしてしまったと言う話だ。 杉「それで、山南さんは……!?」 井「相当の深手だと手紙に書いてあるけど、傷は左腕とのことだ。剣を握るのは難しいが、命に別状はないらしい」 杉(左腕が使えないってことは、真剣が使えないな)
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