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ふぅ、と沖田さんがため息を吐いた。
冲「薬でも何でも使ってもらうしかないですね。山南さんも、納得してくれるんじゃないかなあ」
永「総司。……滅多なこと言うもんじゃねぇ。幹部が【新撰組】入りしてどうするんだよ?」
咲「……え?」
咲さんが首を傾げた。
咲「新選組は、新選組ですよね?」
まるで山南さんが新選組に入っていないような言い草だ。
平助が、空中に指で文字を書く真似をする。
藤「普通の【新選組】って、こう書くだろ?【新撰組】は【せん】の字を手偏にしてーー」
原「平助!!」
バキッ
咲・杉「「!!?」」
俺たちは硬直してしまった。
原田さんは問答無用とばかりに、唐突に平助を殴り飛ばしたのだ。
藤「いってぇ……」
咲「平助君、大丈夫ですか……!?」
ふう、と永倉さんが疲れたように息を吐いた。
永「やりすぎだぞ、左之。
平助も、こいつのことを考えてやってくれ」
いつになく真面目な顔をした永倉さんは、そう言って咲さんに視線を向けた。
永「今の話は、君に聞かせられるぎりぎりのところだ」
冲「【新撰組】って言うのは、可哀想な子たちのことだよ」
不意に聞こえたのは、沖田さんの冷たい声。
永「咲は何も気にしなくていいんだって。だから、そんな顔するなよ」
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