五章

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ふぅ、と沖田さんがため息を吐いた。 冲「薬でも何でも使ってもらうしかないですね。山南さんも、納得してくれるんじゃないかなあ」 永「総司。……滅多なこと言うもんじゃねぇ。幹部が【新撰組】入りしてどうするんだよ?」 咲「……え?」 咲さんが首を傾げた。 咲「新選組は、新選組ですよね?」 まるで山南さんが新選組に入っていないような言い草だ。 平助が、空中に指で文字を書く真似をする。 藤「普通の【新選組】って、こう書くだろ?【新撰組】は【せん】の字を手偏にしてーー」 原「平助!!」 バキッ 咲・杉「「!!?」」 俺たちは硬直してしまった。 原田さんは問答無用とばかりに、唐突に平助を殴り飛ばしたのだ。 藤「いってぇ……」 咲「平助君、大丈夫ですか……!?」 ふう、と永倉さんが疲れたように息を吐いた。 永「やりすぎだぞ、左之。 平助も、こいつのことを考えてやってくれ」 いつになく真面目な顔をした永倉さんは、そう言って咲さんに視線を向けた。 永「今の話は、君に聞かせられるぎりぎりのところだ」 冲「【新撰組】って言うのは、可哀想な子たちのことだよ」 不意に聞こえたのは、沖田さんの冷たい声。 永「咲は何も気にしなくていいんだって。だから、そんな顔するなよ」
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