一章

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斎「……死体の処理は如何様に?肉体的な異常は、特に現れていないようですが」 声をかけられた土方という人は、短い思案を挟んだ後に口を開いた。 土「羽織だけぬがせとけ。…… 後は、山崎君が何とかしてくれんだろう」 斎「御意」 ?「隊士が斬り殺されてるなんて、僕たちにとっても一大事ですしね」 その人は、くすくすと笑いながら同意する。 土「ま、後は俺らが黙ってりゃ、世間も勝手に納得してくれるだろうよ」 杉「羅刹は幕府からの密命て造っているからな」 土「なんで知っているんだ?」 杉「別に…」 沖「へぇ―、そこらへんも詳しく聞かないとね。あっ… 僕は沖田総司と言います。よろしく」 杉「俺は杉川優月。よろしくはしたくない」 土「わざわざ自己紹介してんじゃねえよ」 斎「副長……お気持ちは分かりますがまず移動を」 沖田は俺の手首をつかむと、そのまま笑顔で歩き始める。 杉「痛いんだけど」 沖「…………」 杉「無視かよ」 斎「己のために最悪を想定しておけ。……さして良いようには転ばない」 満月の夜… この時はまだ、これから待ち受ける運命など、俺には知るよしもなかった。
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