なんら変わりない日常

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二度目のテストを目前に控えながらも、半日休みをカラオケやガールズトークに費やしてしまうのは、高校生なら誰しも経験している事だと思う。 あたしもその一人。 最初のうちは、こんなあたしでも部活をちゃんとやっていた。 バドミントン部。 ―小学生の頃、母の知り合いがコーチを勤める、市に一つしかない小学生のバドミントンチームに誘われ、興味本位で始めてみたら、何の因果か小学校最後の年にはNo.1になり、県大会にも2度出場させてもらった。結果は惨敗だが― 中学には、部活が少なくバドミントンに近いテニスを選んだものの、友達と喧嘩になったあとからサボるようになり、そのまま帰宅部へとシフトチェンジしてしまった。 その為、高校ではバドミントンが出来ると意気込んでいたのだが…これもまた運命だろう。続ける事が出来ない事態に陥ってしまったのだ。 バドミントン部は市の体育館で練習をしていたため、学校から通うのに自転車が必要だった。 ちなみにうちは母子家庭。 たかがチャリ。されどチャリ。 チャリ一つ買えないのが現実。 よって継続不可能になり、またもや帰宅部。 そんなこんなで、半日休みの時は仲の良い帰宅部のメンツとカラオケやガールズトークに勤しんでいた。
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