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「ねぇ、おじいさん。この大きな傷はどうしたの?」
『これはな、昔ここで戦があったときにできた傷じゃよ』
「いくさ?」
『そう、戦じゃ。今、ここは静かで平和じゃが、昔はここで大きな戦いがあったんじゃよ。』
「痛い?」
『そうじゃのう。あの時の事を思い出すと心が痛くなるのぅ。』
「心?痛いの?…じゃあちょっと待ってて。」
女の子がとことこ走って一度家に帰り戻ってくると、手には絆創膏を持っていました。
そしてその傷にペタッとはりました。
「もう痛くない?」
『フォッフォッ。もう大丈夫じゃ。ありがとう。』
小さな絆創膏はそうして大きな傷にはられました。
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