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角を曲がった所で、ちこが前方に見えた家を指差した。
「あれなんだな!?」
ちこは力強く頷き、大和の腕から降りる。
紅葉から小包を受け取り、ちこは家の前に立った。
浅葱がちこの隣に立ち、戸を叩いた。
「はいはい、どちらさんで?」
出てきたのは、少しきつめの顔をした老婆だった。
おそらく、ちこの舌を切った張本人であろう。
ちこは怖がるように数歩後退っている。
「すまない、おじいさんはいるか?」
「なんだい、あんたたち。そんな変な格好をして。それに汗だくじゃないかい」
「至急なんだ!頼む!」
浅葱たちの異様さに顔をしかめた老婆だが、剣幕に負け、しぶしぶ家に入って行った。
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