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「さぁて、俺達はそろそろ行くか」
「そうですねぇ」
浅葱と飛鳥が言い出すと、ちこが僅かに悲しい顔をして見せた。
「お別れです、ちこちゃん」
覗きこんで頭を撫でると飛鳥は踵を返した。
「じゃあね、ちこちゃん!元気でね!」
紅葉も手を降り、ゆっくり立ち上がる。
「おじいさん、ちこをよろしくな」
大和も微笑み、ちこの頭を一撫ですると、踵を返した。
「じゃあな、ちこ」
浅葱は僅かに微笑むと、村の外へと歩き出す。
すぐに、後ろにどん、と小さな衝撃が走った。
浅葱の身長の半分程しかないちこが、背中にぶつかったのだ。
そしてはっきりと口を開いた。
『ありがとう』
浅葱は再度微笑むと、ちこの頭を撫で、再び歩き出した。
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