届かぬ声

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「さて、次は何のお話しですかねぇ」 もといた集落への一本道をぶらぶらと歩く。 もうやることもないので移動させられるのを待つのみだった。 「ふわ~ぁ……ねむ……」 「あぁっ!!」 大あくびをした大和の隣で、飛鳥が突然叫んだ。 大和が大きな体をビクリと揺らした。 「なんだよ飛鳥?」 「隊長!今すぐ集落に戻りましょう!急いで!」 「はあ?何で……」 珍しく飛鳥が慌てているので、怪訝な表情をする浅葱。 「集落、潰さないと」 「誰が戻るか!」 とんでもないことを思い出した飛鳥に、浅葱は頭を抱えた。 「だってほら、あの人たち、ちこちゃんをいじめたでしょう?だからお仕置きしないと」 「それ賛成!」 笑顔の飛鳥に賛同する紅葉。ちなみにこちらもいい笑顔だ。
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