10人が本棚に入れています
本棚に追加
/221ページ
――ざぶん、と
音が聞こえた気がした。
目の前は見渡す限り、青、蒼、碧。
揺らめく視界に、ゆれ動く身体。
そして、どんどん苦しくなる息。
(――水の中!?)
意識がはっきりした途端、浅葱は勢い良く身体を起こした。
周りを見渡せば仲間である三人が、息を止めて辺りを見回している。
皆の無事が確認できたのはいいが、このままでは意思の疎通もままならない。
どうしたものか、そもそも上にも下にも足場が見えないこの場所は、非常に不味いのではないかと考え始めたその時。
「ようこそいらっしゃいました」
不意に背後から女性の声が聞こえ、浅葱は振り返った。
最初のコメントを投稿しよう!