綺麗なバラには刺がある

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――ざぶん、と 音が聞こえた気がした。 目の前は見渡す限り、青、蒼、碧。 揺らめく視界に、ゆれ動く身体。 そして、どんどん苦しくなる息。 (――水の中!?) 意識がはっきりした途端、浅葱は勢い良く身体を起こした。 周りを見渡せば仲間である三人が、息を止めて辺りを見回している。 皆の無事が確認できたのはいいが、このままでは意思の疎通もままならない。 どうしたものか、そもそも上にも下にも足場が見えないこの場所は、非常に不味いのではないかと考え始めたその時。 「ようこそいらっしゃいました」 不意に背後から女性の声が聞こえ、浅葱は振り返った。
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