綺麗なバラには刺がある

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波に広がる艶のある長い黒髪、珊瑚の髪飾りに、真珠の首飾り、うぐいす色の着物。 そして、その裾からのびるのは人間の足ではなく、魚のような尾ひれだった。 「あ……」 あんたは、と言おうとして、浅葱は慌てて口を閉じた。 海水が口に入ってきたからだ。 それを見て、女はクスクスと笑う。 「話せませんよね?こちらをどうぞ」 そう言って差し出された女の手には大粒の真珠が四つ。 飲め、と言うことなのだろうか。 一粒ずつ摘まんで顔の前まで持っていくと、女が一つ頷いたので四人は顔を見合せ、同時に飲み込んだ。 すると、すぐに呼吸ができるようになる。
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