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「……息ができる。声も出せるな」
浅葱が確認しつつ、仲間の三人を見やると、それぞれの返事をしてくれた。
「ふふっ。改めてようこそ、竜宮城へ」
その様子を確認すると共に、女が口を開いた。
「竜宮城……?」
女の口から出た言葉、それを復唱すると、浅葱は辺りを見回した。
「……って、どこに?」
台詞を引き継いだのは紅葉。その言葉通り、見渡す限り水、水、水。
竜宮城だと思われる建物など、一切ないのである。
「ここからは見えません。ここは竜宮城の端も端、ギリギリの場所ですから」
「へぇ、竜宮城って広いんですねぇ」
「ええ」
そーゆーもんなのか、と考える三人を余所に、一人順応する飛鳥。
笑顔で頷く女に、ニコニコと笑みを向けていた。
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