綺麗なバラには刺がある

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「申し遅れました。私、竜宮城の城主、乙姫と申します」 柔らかな笑顔を浮かべる女――乙姫に、四人も自己紹介をした。 「それでは、貴殿方四人を竜宮城の本殿へ、客人として招待致します」 「客人?待て、俺達は……」 「私に着いてきてくださいね」 「いやだから、」 「まだ水中は不慣れでしょう。はぐれないようにお気をつけて」 浅葱の言葉を全て遮ると、尾ひれを四人へ向け、先へと泳いで行った。 「中々面白い方ですねぇ。……行かないんですか?置いてかれちゃいますよ」 「あ、ああ」 その様に多少なりとも呆然とした飛鳥以外の三人は、飛鳥に声を掛けられ、慌てて後を追ったのだった。
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