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人魚を見送った乙姫は、額に手をやり、溜め息をつく。
「すみません、皆様。騒々しいところを……」
「大丈夫なのか?」
すかさず大和が尋ねると、乙姫は苦笑した。
「あまり大丈夫、とは言えないかもしれません。これから私も出るつもりです」
「出るって……まさか外へ?」
紅葉が眉をハの字に曲げると、乙姫は一つ頷いた。
「そこで、皆さんにお願いがあるのです。申し訳ありませんが、状況説明する時間がなくなってしまいましたので、詳しいことは省きます」
一旦言葉を区切ると、乙姫は四人を見回してから口を開いた。
「単刀直入に言うと、私と一緒に来ていただきたいのです」
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