綺麗なバラには刺がある

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本殿の外は、色とりどりの珊瑚が彩る、美しい景色だった。 乙姫と浅葱たちが外に出て見たのは、額に白い鉢巻きを巻き、槍を本殿の外側へ向けている色とりどりの人魚たちと、その向かい側に群れを作っている大型の魚類だった。 魚類の中にはクジラやシャチといった哺乳類も混ざっており、それは後方に控えている。 そして先頭には、赤い尾を持ち、大振りの槍を携えた男の人魚が堂々と立ち塞がっていた。 「乙姫様!何故このようなところに!?」 1人の人魚が乙姫を見て目を見開いた。 「もちろん、説得をするためです。あなたたち護衛隊だけではもはや抑えきれないでしょう」
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