綺麗なバラには刺がある

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「やはり、あの子が絡んでいるのですね……。ですが、話は同じこと。あなた方にあれを渡す気はありません。すぐにここから立ち去りなさい!」 右腕を広げた乙姫に呼応するように、後ろに控えていた護衛隊が槍を桐生へと向ける。 「はっ……。やっぱり話し合いじゃあ解決しないわな。……やれ!」 桐生は鼻で笑うと、腕を突き出し、後ろに控える魚達に指示を出した。 人魚と魚がぶつかり合い、喧騒が響く。 その中で、浅葱の隊の血気盛んな二人も飛び出した。 「隊長!加勢してくる!」 「僕も行って来ます」 止めても聞かないだろう二人に浅葱は溜息を零す。
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