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「老衰では、ということは外から危害を加えられれば死ぬってことですか」
「その通りです」
飛鳥の解釈に乙姫が頷く。
「私達が歳をとらずに若く生き続けられる理由……それこそが玉手箱なのです」
「玉手箱?」
「玉手箱は遥か昔から竜宮城に受け継がれて来た宝でした。それを持つものには永遠の命が与えられる、と。
ですが、それはただの言い伝え。あれは言うなれば生きた箱。時間を食べているのです。
自分の周りーーつまりは竜宮城内の生きとし生ける全ての生き物の"身体の老い"の時間を吸収し、蓄積する。そして、使用者へとその時間を付加するのです」
「じゃあ不老不死になるなんてのは」
「全くのデタラメです。むしろ、逆の効果をもたらす道具と言ってもいいでしょう」
玉手箱は周りの時間を吸収し、自身の中に蓄積する道具。
その副作用で竜宮城の生き物の時は止まり、半永久的な命を与える。
使用者には蓄積された分の時間が加算され、一気に老いるという。
一度箱を開けると蓄積された時間は空になるため、空ける感覚が長ければ長い程使用者は老いるという訳らしい。
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