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長閑な村の真ん中。
その上空に、黒い穴のような物ができ、浅葱たちはそこから地面に向かって落下した。
近くにいた村人は驚いて飛び退き、怪しい四人組を慎重に様子を観察している。
「いった~……突然何ー?」
紅葉が状況を把握できず、声を上げる。
「もしかして、次の話に飛ばされたのか?」
「え、じゃあゆっきーは!?」
「ここにはいない……だろうな」
浅葱が答えると、紅葉は浅葱に正面から抱きつき、寂しそうに呟いた。
「そっか……。ちょっと残念だけど、しょうがないよね、お団子」
「団子かよ!!」
浅葱がスパンと紅葉の頭を叩くと、飛鳥がニコニコ笑いながら言う。
「木暮さんは食い意地張ってますからねぇ」
「おーい、やめろ飛鳥。着いて早々喧嘩する気か?」
じと目で大和が止めると、飛鳥はぷぅ、と唇を尖らせた。
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