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「んで、隊長どうすんだ。囲まれてるんだが」
大和が言うと、三人は動きを止め、周りを見た。
二メートルほど離れた位置に、村人に周りを囲まれている。
「…………」
悪い意味で注目を集めてることは明らかで、浅葱たちに注がれる視線が痛い。
怪しい者として見られているのがひしひしと伝わって来た。
「あー……取り敢えず、村から出るぞ」
「動くな!!」
浅葱が言った瞬間、人ごみの中から鋭い声が飛ぶ。
浅葱たちはそれが自分たちに向けられたものだと気づくと、声がした方へ視線を動かした。
「貴様ら賊か?怪しい格好をしている」
人ごみを割り、数人の男が浅葱たちの前に姿を現した。
全員が刀を所持している。刀は既に鞘から抜かれ、刀身があらわになっていた。
男たちが前に出てくると、村人たちは恐れるように散って行く。
「村人の話によれば、突然空から降ってきたそうじゃないか」
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