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女の子の後ろに見えるのは五メートルはあるでかい胴体に角がはえている猪みたいな生き物。
この世界は大きな生き物が多い。
そして種類が豊富なのでまれに珍しい生き物が見つかるのだ。
猪はよく見る方だがまさかこんなところで出くわすなんて運が悪すぎる。
ガルの顔から血の気が引く。
ものすごい速さで女の子を追いかけてこちらに来る。
それから逃げることができている女の子の足の速さは異常だ。
そんなことを考えながらもガルは回れ右をする。
「ヤバいって…炎零逃げ…」
炎零に話しかけたが
「コーネット、あれが見えるか?」
マイペース発言によってガルは嘘をつかれたような顔をした。
「は?」
思わず声が裏返る。
「あの猪の額のマークだ」
何をするのか全く理解できない。もうそこまで来ているのに炎零は身じろぎひとつしない。
ついに女の子が炎零たちの後ろまで逃げたとき、炎零は猪と女の子の間に立ちはだかった。
「炎零!!」
このままだと確実に炎零は衝突するだろう。
ガルがとっさに叫び、女の子は急に現れた男の行動に驚きつつも目をおおう。
刹那、猪の角が炎零を襲った。
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