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女の子はちらりと横目に猪を見ながら礼をいった。
「いつもなら銃持ってるんだけどリュックから取り出す暇なくて…」
さらりと言ってのける女の子。
得意気に言っているのか顔が笑っている。
「銃?」
女の子の背中のリュックからは確かに銃口が突き出ている。
腰にも銃を入れるポケットみたいな物がぶらさがっていた。
リュックから銃を取り出してそのポケットに直している女の子を見てガルは思った。
なんなんだ俺の周りの人は、と。
「さっき神の印とか言ってたけど、あなた達も探してるの?」
「あなた達……も?」
ガルは首をかしげる。
「私もなの!!ってことでリラ・キースルです!よろしく」
いきなり次は自己紹介を始め出した。
「なんでこんなマイペース人ばっかり集まるんだ…」
ガルが自然とうなだれる。
「構わん。行く場所は同じだしな」
炎零があっさりと許可したので晴れてリラも仲間に。
炎零の頭に疑いなどはないらしい。
神を探しているということはこのリラという女の子も何かされたのだろうかと考えたが当然のごとくわからなかった。
「とりあえずカルカッタに行くぞ」
炎零はここから近いだろうとガルに確認をとる。
「あぁ。商業が盛んだって聞いたことある。…」
ふとガルの脳内にある考えがよぎった。
「俺…もしかして一番役たたず?」ガルのぼやきは誰の耳にも届かなかった。
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