街街行こう。

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武器屋の中は銃はもちろん、あらゆる剣や槍、中には鎖帷子まで売っている。 隙間もなく並べられていて見にくい部分もある。 木の粉くさい臭いが少し鼻にさわってくる。 目移りする品揃えだがほとんどが高いものがほとんどだ。 。 「お前は武器も何も持っていないだろう。買え。ある方がなにかと…」 炎零が剣などを片手に指示を出した。 「…」 だがガルが首をかしげて動かないでいる。 「どうしたの?」 リラが不思議そうに聞くとガルの返答は 「いや、金持ってないし」 それもそうだ。 村は灰になってしまったしガルは家を散歩と言って出ていったので何も持ってはいなかった。 食料は炎零が仕留めた猪を食べたためなんとか空腹は覚えずに来ることができた。 「キースルお前は?」 炎零が一応聞く。 「持ってない…」 申し訳なさそうに言うリラ。炎零は黙ってしまった。 どうするか考えているらしい。 …沈黙が流れた。 この街に滞在するなら確実に金は必要不可欠。 というより旅をするのにもなくてはならないものだ。 「…なぁ炎零」 成るようになると言うが本当なんだなと思いながらガルは店の壁を指差す。 何かを見つけたのかと炎零もそれに目をやる。 そこには質素な壁に際立って目立つ貼り紙が貼ってあった。 『シークレット大会!! 何をするかはお楽しみ! 言えることは1つ!! 優勝者10万ダーツ!!』 ダーツとはこの国の単価だ。 「じ…10万ダーツ!?この街の物価高だと一ヶ月は過ごせるよ!」 リラが興奮して二人に言う。 また炎零は貼り紙を見つめながら考え込んだ。「でも出なきゃ何も買えないしな…炎零」 ガルは決断を促した。 「仕方ない。出るぞ」 炎零はため息混じりに答えた。 貼り紙によるともう参加受付は始まっているらしい。 そして次いでに言うと締め切り時間も迫っている。 三人は急いで店を出た。 だから、見落としてしまったのだ。 貼り紙の隅に書かれていた注意事項を。 そこには字体を変えてこう書かれていた。 『*注意* 万が一何かがあっても責任は一切とれません』
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