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「なんなんだよアイツ……イテテ…」
薄暗い井戸にガルの声が響く。
「無事なのが奇跡なぐらいだね」
リラが立ち上がり感心したように言うと、
「そりゃあ人の上に着地したら無事だろーよ」
発言からしてリラが乗ってきた腰を押さえながら立ち上がる。
薄暗いと思っていた辺りは明るく、井戸という限られた狭い空間に何か箱がある。
井戸だが水の気はない。
どれぐらい落ちたのだろうと上を見上げてみると10mほど上に丸い空が見えた。
「正解とか言ってたな。この中に宝が?」
状況整理より先に木製の箱に近づく。
やはり自分もリラと炎零に負けないぐらいマイペースなのをわかっていない。
「開けるよ?いい?」
リラがガルに確認する。
だがガルはビックリしてリラを見る。
どこからどう見ても南京錠がかかっている。
「開けるったって…鍵がないだろ。どうやっ」
ガウン!!!
ガルの常識的な疑問はリラが発砲した銃弾により撃ち抜かれた。
南京錠は見事に壊れていた。
「だからなんでそう無茶苦茶なんだ……」
ガルは自然とうなだれる。
「まぁまぁ。開けれたらいいの。ね?」
中身が気になるのか強引に会話を終わらせ、箱に手をかける。
二人が見守る中、
ギィッという音がして、箱がゆっくり開いた。
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