宝探しと

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「何……これ」 期待していた木箱の中には立派な剣の柄。 だが刺さるようにして入っているので刃がない。 「なんだこれ。これが宝?」 ガルは飛び出ているがっしりとした黒い柄をつかみ持ち上げてみた。 すると柄を持ち上げたのと一緒に、箱の深さから考えてありえない刃までが出てきた。 「……」 しばしの沈黙のあと、ガルは無言で剣を戻した。するとまたスッと入っていき、柄だけになる。 「なんで戻すの?」 「……驚いたんだよ」 ガルの反応が正しい。だがリラは早く、と目で訴えてくるのでまた取り出した。 今度こそすべて抜き取り自分の腕の中に納めた。 ズッシリとした重さが慎重さを誘う。 「ちょうど良かったじゃない!!後は鞘買ったら武器問題解決だね!」 「あぁ。でも、都合いいな……」 「まぁまぁ。ラッキーラッキー」 そう言うと水を酌むために常備されているロープに近づく。 「さっ早く戻って炎零さんのところに行こ」 相変わらずの明るい声でガルに笑いかけた。 「心配とかしてんのか?」 だがガルは心配する炎零を想像して少し笑ってしまった。 ガルは笑ってロープを手にとり、上を目指した。。
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