宝探しと

8/9
前へ
/257ページ
次へ
あれから数分、二人はようやく井戸の上に手をかけた。 「ふぅ。あれ?炎零は……」 散々話のネタにした本人を探すが辺りを見回しても見当たらない。 先程まで座っていたベンチにも居ない。 とりあえず地に足をつけ、リラに手を貸した。 「炎零さんは?」 出てきたリラも炎零が居ないことに気づいたらしい。 「どこ行ったんだ?トイレか?」 「呼んだか」 ガル達の後ろに探していた人物はすぐに現れた。 だが 「炎零どこに……どうしたんだよその傷」 ガルが見ると炎零の右頬は一本の赤い筋が刻まれてあった。 もう塞がりかけてはいるが。傷は傷だ。痛々しい。 「少し、な」 そう言って何かをガルに投げ渡した。 綺麗に円を描いてガルの手に収まった。 「これ…」 手に収まったのは 紙の束。 「10万ダーツだ」
/257ページ

最初のコメントを投稿しよう!

186人が本棚に入れています
本棚に追加