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暑い。
七月も終わりに近付き、夏はこれから本番を向かえようとしている。
そんな中、僕はある場所を目指していた。
かつてした、たった一つの約束のために。
誰としたかは覚えていない。
その人とどんな関係だったかもわからない。
それでもその約束だけは覚えていた。
『五年後、僕たちが出会った日、出会った場所でまた会おう』
今日がその日である確信もないし、どこが約束の場所かもはっきりしない。
だがなにかに導かれるように、きっと幼い頃の記憶に誘われて、僕は一人歩いていた。
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