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頬を伝って手の甲で受け止めきれなかった涙が、ポタポタと床に落ちて小さな水溜りを作っていく。
「うっ…ぐすっ……っく…」
『ちょ、そんな擦ったら目ぇ傷付くって!!υ』
「うぅ~~~……」
『…ぷっ…』
「わ、笑うなぁ…っぅ…」
こんなとこ見せて、恥ずかしい…
…でも、嬉しい…
正臣も、同じ気持ちでいてくれたことが…
「…っ、僕も、正臣のこと好きだよ…っ!!」
『…知ってる。』
小さくクスリと笑って、正臣は僕のおでこに小さくキスと落とした。
「…っく……」
『…帰るか?』
「…うん……」
音もない、真っ暗い闇の中で、
僕たちは、どちらともなく手をつないだ…
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