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―――…
数日後、臨也と廊下を歩いていると、臨也がイキナリ声を潜めた。
「?
臨也、何して―『シッ!!あれあれ。』
臨也の指さした先には、屋上へ続く階段がある。
「―――ッ…」
そこにいる人物を見て、思わず息を飲んだ。
そこにいたのは…
女子と、六条だった。
『なんだろ、アレ。やっぱ告白かなぁ?
告白されてるのは六条君の方みたい。
初々しいねぇww』
ニヤニヤと野次馬の様に(いや、実際野次馬だが。)はしゃぐ臨也の横で、俺は身動きを取れずにいた。
背中にジトリと嫌な汗が溢れ、体全体が一気に冷たくなった気がした。
その場を動くことも、六条から目を逸らすことも出来ずに居ると、六条がふとこちらを向いた。
すると、目が合った瞬間に六条は顔に焦りの色を浮かべた。
「――――ッ!!」
『…っえ…ちょっと、ドタチン!!?』
気がついたら、臨也の声を振り切って走り出してしまっていた。
ただ、そこから逃げ出したい一心で廊下を走り、階段を駆けあがった。
ようやく足を止めることができたのは、屋上のドアをくぐった時だった。
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