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チャイムの音が鳴り、やっと放課後となる。
俺、【羽田 優】はほとんど空の鞄を手に取ると足早に教室を後にする。
右からも左からも生徒達の楽しそうな声が聞こえてくる。
そんな声を遮るようにiPodのイヤホンを耳にはめる。
イヤホンからはリズミカルに音楽が流れだしている。
毎日歩いている階段。
いっそエスカレーターにしたら、どれだけ楽になる事か。
一年365日の体力の消費量がどれだけ減る事だろう?
いや、あんまり楽すると太るだろうな。
別に気にしないけど。
そんな何気ない事を考えているうちに、気が付くと下駄箱まで来ていた。
靴を取ろうと下駄箱に手をいれようとする。
すると、ヒラッと一枚の手紙が落ちた。
「…またかよ」
落ちてしまった手紙を手に取る。
綺麗な青色の便箋、ご丁寧にはめてあるシールはハート型。
無造作に開く。
内容は、『放課後に体育館の裏に来て下さい』というものだった。
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