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「藤波 唯さん、だっけ?」
近づくなりそう尋ねると、下を向いていた藤波さんはビクッ!!と体を動かしてこっちを見た。
「えっ?あっ、はい!!名前、知ってたんですね」
笑顔で呟くと頬を紅く染め、体をモジモジとさせていた。
あぁ、やっぱりな。
俺も鈍い訳じゃない。
だからこの先の展開も予想できる。
「あの…いきなりだけど羽田君って好きな子とか、いるかな?」
控えめに、上目遣いで聞いてくる彼女。
あぁ、この子みたいな魅力的な子に告白されたらほとんどの男はOKするんだろうな。
「いない」
そう言った俺の言葉に乗っかってか、彼女は口を開いた。
「じゃあ…「彼女とか、そういうの興味ないから」
俺は彼女が言葉を言う前に、そう冷たく言った。
彼女の顔はみるみる真っ青になっていく。
これが初めてじゃない。
だけど……胸が痛む。
何度だろうとそうだろう、自分の意見で人の好意を憚るんだからな。
「でも…でも私は……私は羽田君が好きです!!」
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