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崇慶「まぁ待ちなさい。その墓石にはちゃんとした名称がある。『無縁塔(むえんとう)』というのです。助かる方法もないわけではない」
坂下「本当ですか!助かっ──」
崇慶「……静かにッ」(声を潜め怒鳴り)
崇慶「……いる」
一郎「えっ?」
崇慶「坂下さん、あなたは土の気に憑かれている!」
坂下「ヒッ!?」
崇慶、立ち上がり座敷中を歩き回る。
崇慶「良くない。良くないぞ……うん、非常に良くない……これは岩が出るのも当たり前だ……坂下さん、あなたは土の気(け)を粗末に扱っている! だから岩にとり殺されるのです!」
坂下「な、なんなんだ急に──」
崇慶「近い! 近いぞぉぉ!」
宗慶「……阿呆。兄ちゃんの演技は嘘臭いねん。」(ボソリと)
一郎「は? 演技?」
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