かわらけ

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そのとき、靴箱の上の電話がけたたましく鳴った。 崇慶「……誰よこんな時に……──はい、もしもし」 宗慶「もしもし? 兄ちゃん?」 崇慶「誰かと思うたら我が憎々しい弟やないの。よくも絶妙のタイミングで」 宗慶「聞いてや兄ちゃん。依頼。依頼やで!」 崇慶「はぁ? ──アレの?」 薫子「ほにょ?にょにょ?」 宗慶「そ。板橋に同じ宗派の妙光(みょうこう)てお寺あるやろ。そこの住職がな」 崇慶「どうせまたいつものようにカマかけた依頼やろ。妖怪落としなんてそうそうお呼びやおへんわよ」 一郎「妖怪……落とし?」 宗慶「カマがかかってんのは兄ちゃんやろ」 崇慶「カマって言うんやない。乙女とお呼び。で? 依頼内容は?」
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