15人が本棚に入れています
本棚に追加
そのとき、靴箱の上の電話がけたたましく鳴った。
崇慶「……誰よこんな時に……──はい、もしもし」
宗慶「もしもし? 兄ちゃん?」
崇慶「誰かと思うたら我が憎々しい弟やないの。よくも絶妙のタイミングで」
宗慶「聞いてや兄ちゃん。依頼。依頼やで!」
崇慶「はぁ? ──アレの?」
薫子「ほにょ?にょにょ?」
宗慶「そ。板橋に同じ宗派の妙光(みょうこう)てお寺あるやろ。そこの住職がな」
崇慶「どうせまたいつものようにカマかけた依頼やろ。妖怪落としなんてそうそうお呼びやおへんわよ」
一郎「妖怪……落とし?」
宗慶「カマがかかってんのは兄ちゃんやろ」
崇慶「カマって言うんやない。乙女とお呼び。で? 依頼内容は?」
最初のコメントを投稿しよう!