0人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
葵は初めて別れの苦しみと、戦っていた。
葵自身は、もちろんそんな思いなど微塵もない。
何故なら、葵が相手を振った本人なのだから。
葵の思いは、きっと、《私を苦しめた奴が悪い》みたいなものだろう。
しかし、現実は、胸の痛みや苦しさに苛まれ、呼吸すら困難になる程に落ち込んでいる。
イライラの原因がその事だと思うには、まだ時間と年齢が無さ過ぎる。
これが、葵の人生の迷路の入り口に過ぎない事など誰も知らない。
最初のコメントを投稿しよう!