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土曜日。それは至極。それは至福。
忌々しい5日間の疲れ、ストレス、だるさをいっきに洗い流してくれる。
幸い俺は部活も行ってないし、俺の学校には土曜授業なんてものもない。俺勝ち組。
これぞ完全な自由。完全なフリーダム。
俺は布団の中で、カーテンの隙間から差し込んでくる朝日の温かさを感じながら、体を丸めて敷布団の柔らかさを堪能していた。
ああ、気持ちいい。本当にキモティー。
心なしかいつもより顔にかかる掛け布団がもふもふしてるよ。
ああ、もふもふだ、もふもふだ………
いや、なんでもふもふ?それになんか顔がむずむずする。床屋で眉毛切るときに乗せられるタオルくらいはがゆい。
だいたい想像がついた俺は布団をめくった。
「やっぱりお前か」
「まむ」
眠そうな声をあげる昨日出会った俺の
パートナー(今決めた)は、やはりこの中で寝ていたか。
「てか顔にしがみついて眠るのやめれ」
「………」
「いやもう起きろよ。寝たフリかそれ」
眠気が完全に冷めた俺は、もふもふ君を
パーカーのフードの中に入れてリビング
へと向かった。
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