彼の名前は長谷川輝

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僕「へぇ…なんだか大変そうだね…」 輝「うん…それでも最低月に一回ぐらいは吸わないと暴走するからなぁ…全く不便な体だ」 僕「人類の永遠の憧れを体現してるくせに…よく言うよ…」 輝「実際なってみると案外いいモンでもないよ。死ねないし」 僕「弱点とかないの?」 輝「色々試してるけど今のところないね。無敵」 僕「色々試してるって…」 輝「元々は親父が『敵を知り己を知れば百戦危うからず』とかなんとか言って自分の弱点を徹底的に探し出したらしいんだ。 で、俺もそれに強制的に参加させられて、だいたい全部探し終わったんだけど、 今度はいちいちそれを覚えて気を付けてるのも面倒だから、自分の体をいじって一つずつ弱点消していったんだ」 僕「そしたら今度は逆にどうやっても死ねなくなった…と」 輝「そういうこと」 僕「でもさ、消すことができるんだったらまた足すこともできるんじゃないの?」 輝「いや、それがさ。困ったことにできないんだよ」 僕「そういうもんなんだ…」 輝「ま、来春には鍵の新作も出るし今はまだまだ死ねないからいいんだけどね」 僕「まったくだ」 輝「さ、話してるうちに食堂に着いたぞ」 僕「ふう…やれやれ、ホントに無駄に広いなこの家は…迷子になりそうだ」 輝「俺もまだ全部把握しきれてないんだ。ヒマをみつけて探検していこう」 こうして僕と長谷川君の奇妙な共同生活が始まったのである─────
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