目標の名前は片倉清志

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「さて、本日はどの娘にしようかなっと…」 誰にともなく自宅で独り言を呟く私は片倉清志(46)独身。 とある高等学校で生物の教科を担当している教師である。 最近の悩みは去年と比べて頭頂部がまたやたらと涼しくなってしまったことと、 私に対する生徒たちの冷たい眼差しである。 まぁ、それもまた快感の一種に変換することは可能であるのだが。 そもそも快感と感じる刺激は人によってそれぞれ違うのであるから、それによって差別、偏見を持つことは甚だ間違いであると断言せざるを得ないのだがどうだろうか。 例えばマゾヒスティックは肉体的、精神的なあらゆる痛みを快感へと導くことができる。これはヒトの生存本能としては致命的に劣っていると認めざるを得ないが、現代社会を生きる人間としては様々なストレスから自分の身を、精神を守るように都合よく進化した形ではないかと私は考える。
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