20人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな私にも人生の転機というものは訪れるらしい。
きっかけはとあるなんの変哲もない授業でのことであった。
いつもはもっと盛大に騒いでいるはずの彼らが、その日に限っては妙に大人しかった、いや、声のトーンが低かったと言うべきか。
私は不思議に思い、生徒たちの声に耳を澄ませてみた。
ふむ、どうやら何かを指して囁きあっているようだ。「何アレ…」とか「気持ち悪い…」とかいった言葉がクスクスという笑い声とともに聞こえてくる。
何事か確かめようと、黒板から生徒たちの方に振り返ると、その声はピタリと止む。
首を傾げて黒板に向き直ると、またヒソヒソ声が聞こえ始める。
一体なんだというのだ?
最初のコメントを投稿しよう!